アクアチントって?
群馬県立館林美術館で、「シャガール 版画の世界」が4月6日まで展示されています。初めて訪れた美術館の外観は全体が柔らかいカーブを描くモダンな建物でした。
シャガール展の一環としての「”アクアチント”ってなんだろう?」というワークショップの企画を知り、シャガールも好きだし銅版画にも興味津々で申込み参加しました。場所は別館ワークショップ室で下の右側のレンガ造りの建物です。「ここは那須?軽井沢?」また雰囲気が変わって素敵です。
アクアチントとは銅版画の技法で、単独で使うよりもエッチングなどと一緒に施し背景などに使う事が多いようです。
アクアチントの手順は
①銅板に黒ニスで絵を描く、描いた部分が白抜きになる。
②松ヤニの粉末を銅板に振りかける。
③熱で松ヤニを定着させる。
④銅板を塩化第二鉄溶液に10分漬けて腐食させる。
⑤醤油(アルカリ性)で中和し洗う。
⑥水分を拭き取りアルコールで松ヤニを拭き取る。
⑦ホワイトガソリンで黒ニスを拭き取る
以上で版の完成。
⑧版にインクを付け磨く。
⑨プレス機で湿らせた用紙に銅版を印刷する。
2枚印刷で、1枚はシャガールの印刷にも使われているという高級紙”ベランアルシュ紙”を使って頂きました。 版画の下にはエディションナンバー、タイトル、サインも入れてちょっとした版画家気分。途中休憩1時間を含んで6時間の講習はとても充実して楽しい時間でした。
講師は銅版画家の長野順子先生。とても気さくで丁寧に教えて頂きました。先生は芸大の建築学科を卒業し5年間建築士として勤務されてから銅版画家に転身されたという珍しい経歴をお持ちで、その作品はとても幻想的です。又先生の作品は本の挿絵や映画の劇中にも使用されているそうです。
写真は先生の2014年のカレンダーから、3・4月「ブランコ うらら」。エッチングとアクアチントの作品です。妖精のブランコがかわいい~メルヘンです。
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コメント
1枚目の画像は、なんかいいですね。
「モダンな建物」ホントそんな雰囲気です。
美術館に展示されている作品はもちろんですが、最近の
美術館は建物そのものも楽しめますよね。
アクアチント
もちろん知りませんでしたが、結構な技術が必要ですね。
実物を見てみたいなぁ
投稿: くるたんパパ | 2014年3月 4日 (火) 05:36
くるたんパパ様
こちらにもありがとうございます。
広い敷地にとてもおシャレな建物でした。
私の住む埼玉県には古い美術館が二つしかありません。
館林美術館が素晴らしくて近くの方がうらやましくなりました。
ただ、美術館って安い入館料で
維持していくのが大変だろうなあと思います。
アクアチントは私も初めてでしたが
殆どのエッチング作品に使われているようです。
実物は、あまりにも稚拙な作品で今回は
お蔵入りさせました
投稿: ヨピ | 2014年3月 4日 (火) 23:03